ベトナム国内では、自動車は高級品扱いで、今までは高額の特別消費税(35%~)及び登録料税率(10%~)を適用されています。一方、世界中の国々が化石燃料を徐々に置き換えるためにクリーン燃料車を使用する傾向になり、ベトナムも同じく、クリーン燃料車に優遇措置を検討し、国内電気自動車の生産・販売を推進するために、ベトナム政府は電気自動車のための特別消費税及び車両登録料の減税の優遇政策を承認しました。
したがって、特別消費税率は、バッテリー式電気自動車の9席以下の場合、2022年3月1日~2027年2月末(5年間)で3%、2027年3月1日から11%が適用されます。同座席数のガソリン車の特別消費税率は、気筒容量により35%~150%です。
そして、登録料は政令103/2021 / ND-CPに基づき2021年12月1日から2022年5月31日までの間登録された国内生産・組立自動車の登録料を50%削減にした上、2022年3月1日から発効する3年以内に最初の登録料を0%として徴収するという優遇政策を施行しました。
今後2年間で、この費用は同じ座席数のガソリン車とディーゼル車の50%になります。具体的には、この優遇登録料政策により、2022年3月1日から3年以内に初回登録料徴収率が0%となり、次の2年間で、同座席数のガソリン車とディーゼル車の50%の登録料が適用されます。
仮に2022年3月1日~2027年2月末間、本体価格が500万円の国内9席車を新たに購入する場合、
ガソリン車の場合、特別消費税35%の175万円及び自動車登録料10%の50万円が掛かりますが、
電気車の場合、特別消費税3%の15万円及び自動車登録料0%となり、210万円分が減額されることになります。
ベトナムでは、現在電気自動車の分野でリードしているのがビンファスト(VinFast)(ビングループ(Vingroup)傘下の自動車製造・組立の子会社)です。本会社は、100%電気自動車に切り替え、2022年末までにガソリン車の生産を停止することを目標にしました。現在、ビンファストは335ヘクタールの自動車工場複合施設を所有し、年間25万台の推定容量を持つ規模です。さらに、同社によれば、ビンファストは充電ステーションのインフラへの投資も進めており、2021年10月の時点で、約10,000の充電ステーションが設置され、ベトナムの62省・都市で稼働する準備ができています。ビンファストに加えて、メルセデス、キア、フォルクスワーゲンなどの他の自動車メーカーも、近い将来、ベトナムで電気自動車を販売することを計画しています。
現在ガソリンが高騰している状況下、電気自動車に対しての上記の優遇政策により、今後3〜5年で人々の電気自動車の購入増加に伴い、ベトナムの生産インフラや充電ステーションへの投資を引き付けることがが促進されると思われます。
(参照情報元:「Nhip song kinh te」新聞)